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レポート2022.04.16「大切なこととは何かを考えるきっかけになってほしい」。宮嶋風花監督新作『愛のゆくえ』の制作発表&処女作『親知らず』上映会

4月16日(土)、那覇市の桜坂劇場ホールBで宮嶋風花監督の処女作『親知らず』の上映が行われました。
上映に先立って宮嶋監督の新作『愛のゆくえ』の制作発表が実施され、宮嶋監督をはじめ、主演の長澤樹さん、窪塚愛流さんが登壇しました。
『愛のゆくえ』は、ある幼馴染の愛を取り戻す物語が描かれており、カエルの合唱が響く街で、もう帰らないあの人を想い続けるというストーリー。公開は2023年を予定しています。制作発表に先立ってフッテージ映像がお披露目され、登壇者の3人も客席最前列で鑑賞しました。

長澤さん、窪塚さんをキャスティングした理由を宮嶋監督は「樹さんと最初に会った時“この子は愛ちゃんだ”と思いました。事前情報ではお洒落な女性のイメージだったけど、素朴で目力があり、自分より年上に見えました。窪塚さんは、私がInstagramをフォローしていたのがキャスティングのきっかけです(笑)。吸い込まれるような目力があり、伊藤宗介役が愛流君で良かったと思いました」と告白し、笑顔を見せました。

舞台挨拶終了後には3人ともインタビューに応じていただきました。撮影時の思い出として宮嶋監督は「1月の記録的豪雪の時期に-10℃の気温下で撮影しました。凍えそうでした(笑)」と振り返り、窪塚さんは「靴の中に雪が入って、冷たくて足の感覚が麻痺しました。自分の足なのか何なのかわからなかったです(笑)。でも北海道の大自然の中での撮影だったので、芝居に入りやすかったです」と笑顔。長澤さんは「撮影の前にワークショップがありましたが、現場に入ってみないと分からないことがいっぱいありました」とコメントしました。

さらに宮嶋監督は「あるものを燃やすシーンがあるのですが、全体に火が回るのが10分ぐらいと想定していたけど、0.5秒で火が付いてビックリしました」と、ちょっとしたトラブルがあったことを告白。窪塚さんも「初日に飛行機が5回ぐらい欠航して、夜12時過ぎにホテルに到着しました」と語りました。長澤さんは「撮影が終わっても夢の中にいる感じ。皆で笑いあって賑やかな撮影でした」と語り、苦労だけではなかった楽しかった現場の様子も伺い知ることができました。

作品にかけた思いを聞かれた宮嶋監督は『愛のゆくえ』は宮嶋監督の実体験や人生そのものが元となっているとのことで「この映画は、心の居場所をなくした孤独な少年少女が描かれています。3年ほど脚本を書きました。いま、コロナ禍で辛い思いをしている方がいっぱいいると思うのですが、それぞれの境遇の方がいろんな環境で生きている。映画を見ることで何か感じるものがあれば嬉しい」と話し、窪塚さんは「“愛”は世界中の人間や動物に必ず備わっているものだと思います。

登場人物の愛と宗介は最初、“愛”というものをわかっていなかったけど、いろいろな人から“愛”をもらっていくうちに、お互いが成長しながら自分たちだけの“愛”を見つけるという作品だと感じました。だから僕は、年齢とか性別とか関係なく多くの方に見てもらいたいです」と、語りました。愛を演じた長澤さんは「初めて台本を読んだとき、どんな作品なんだろうと客観的に読んでいたつもりが、いつのまにか愛に自分の姿を投影して読んでいました。読み終わったとき自然に『この役をやりたい』と思いました。撮影は、北海道の寒い極限状態の中で続いたので、そういうのが映像に表れているのでは思います。みんなの情熱などが少しでも伝わると嬉しいです」と、インタビューを締めくくりました。

「愛のゆくえ」の制作発表後には、「親知らず」の上映会が行われました。「親知らず」は“沖縄国際映画祭クリエイターズ・ファクトリー2018”のグランプリ作品で「愛のゆくえ」が制作されるきっかけにもなった宮嶋監督の処女作です。宮嶋監督は全国で上映するなか、「沖縄の視聴者だけ笑ってくれた。嬉しい」と笑みをこぼします。窪塚さんは「『映画祭』というものを見るのも出るのも初めて。すごく楽しみにしていました」と笑顔。長澤さんは「沖縄国際映画祭に参加するのは、今回がはじめて。きらびやかな世界だとおもったので、参加できて嬉しい。東京とまた違って、道ゆく人が私たちの事をみてくれる。関心があるのかな。気温も人も温かいです。またぜひ来たいです」と笑顔で締めくくりました。

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