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レポート2022.04.16「私、出し惜しみしませんから」貴重な音楽と裏話満載「沖縄の音楽史から紐解く、沖縄・記憶と記録」
4月16日(土)、那覇市のよしもと沖縄花月でスペシャルトーク&レコードコンサート「沖縄の音楽史から紐解く、沖縄・記憶と記録」が行われました。
同イベントは沖縄の本土復帰50周年企画として、沖縄音楽のアナログレコードや沖縄の月刊写真誌「オキナワグラフ」の誌面、沖縄の芸能文化を含む歴史をまとめた年表の展示を軸に那覇市民ギャラリーで開催中の「OKINAWA MEMORIES AND RECORDS - 沖縄・記憶と記録 -」の一環で行われたもので、企画プロデューサーの立川直樹さんと島唄解説人の小浜司さんのトークとともに、高級オーディオブランド『Technics』の最高峰『リファレンスシステム』を使用し、貴重なレコード盤など沖縄の音楽が楽しめる、まさにスペシャルなイベントです。
イベント開きの挨拶で登壇した立川さん、小浜さんは、共に登壇したオキナワグラフの石田奈月編集長が持つ「オキナワグラフ創刊号」にくぎ付け。価格が「B円」という、米軍統治下の沖縄で流通していた通貨単位になっていることや、創刊号から現在まで沖縄の時代のワンシーンが詰めこまれた内容に触れ「写真から沖縄の芸能や音楽が読み解けるので、ぜひ展覧会にも足を運んでほしい。すでに来場された方でも、今回のトークショーを聞いてから出かけるとまた視点が
イベント開きの挨拶で登壇した立川さん、小浜さんは、共に登壇したオキナワグラフの石田奈月編集長が持つ「オキナワグラフ創刊号」にくぎ付け。価格が「B円」という、米軍統治下の沖縄で流通していた通貨単位になっていることや、創刊号から現在まで沖縄の時代のワンシーンが詰めこまれた内容に触れ「写真から沖縄の芸能や音楽が読み解けるので、ぜひ展覧会にも足を運んでほしい。すでに来場された方でも、今回のトークショーを聞いてから出かけるとまた視点が変わると思う」と、現在開催中の展覧会についても話しました。
最初のレコードをかける前に立川さんは「会場入口でコンピレーションアルバムが販売されていると思うんですが、今年の秋には沖縄の貴重な音楽が100曲ほど入った完全版の5枚組ボックスが出ます」と暴露。MCを務めた浦添ウインドゥの島智大は「こんな大事なことって、普通はエンディングで言いません?!」とツッコミを入れますが、立川さんは「私、出し惜しみしないので」とさらりと受け流し、会場からは笑いが起こりました。
会場でかけられたレコードは、今や沖縄の民謡会の重鎮と言われる知名定男さんがまだ12か13歳頃で声変わりする前のデビュー曲をはじめ、普久原恒勇さんが作曲したオリジナルの「芭蕉布」、捕虜の悲しさを歌った「PW無情」など、沖縄の民謡好きも思わず唸るようなラインナップ。さらに曲間のトークでは「この曲、登川誠仁(琉球民謡協会の名誉会長も務めた大御所)さんが、弟子の知名さんに代わりに歌わせてみたら曲の予定時間きっちりだったから、そのまま録音してデビュー曲にしたんですよ」や「普久原さんは当時お弟子さんだった、日系ハワイ人のクララ新川さんにもっと歌ってほしくて、デビュー曲の芭蕉布に少しハワイアンの要素を取り入れたんですが、クララさんはこの1曲だけ出して、結婚してハワイに戻っちゃったんですよ」「捕虜収容所ではわざとベッドを壊して鉄のフレームを三線の棹にし、空き缶とパラシュートの紐を使ってカンカラ三線を作ったそうです」等、小浜さんの生き字引のような解説が入り、あまりにも濃厚なトークショーに会場に訪れた民謡ファンからは感嘆の声が上がっていました。
トークショーの締めに立川さんは「今回の企画は2022年の視点で沖縄の音楽・芸能のカタログを作る、というコンセプトなんですが、年表に終わりは設けていない。これからも沖縄音楽や芸能の歴史を集めて語り継ぎたい」と話し、小浜さんはコンピレーションCDについて「1934年に蓄音機を回して録音した安里屋ユンタをはじめ、貴重な音楽が詰まっている。19曲しか選べないのは本当に大変だった」と語りました。MCの島が「でも秋には100曲ほど入った5枚組ボックスが出るんですよね?」とツッコむと、小浜さんは「そう、(5枚組ボックスには)もっとびっくりするような貴重な音源が入るから楽しみにしてください!」と笑顔で返し、会場は終始和やかな雰囲気のままイベントの幕を閉じました。